トレッキングも調子にのってきあたりで、切り倒された松がビニールをかけられていました。これは薫蒸といって、松食い虫にやられた松にビニールをかぶせ、そしてその中だけ薬をかけ、松食い虫の被害が広がるのを防いでいるのだそうです。
 しばらく行くと見晴しの良い場所に到着。遠く佐渡島や米山まで見えます。休憩しながら、ずーっと遠くまで見渡しました。
薫蒸(くんじょう)中の松
ツライ階段だけど、いい山道! 雲間の大陽がきれいでした
/「みなさんは日頃あまり感じないかもしれませんが、私たちってこの一枚の木の葉に生かされているって思うんですよね」と藤石さん。
/「木の葉は落ちて微生物の働きにより腐葉土を作りそこから新たな木が育っていく。その木の実や樹液などで動物や昆虫たちを育て、それらを餌に鳥やさらに大きな動物が育っていく。また森の土は雨の水を浄化しきれいな水を川へそそぎ魚たちや私たちを育んでくれる。そう考えると私たちは目の前の一枚一枚の木の葉によって、生かされているんだなって時々思いますよね。」

 そう、私たちは自然のおおきなサイクルの中で生きているんですよね。でも人間が科学的に作ったもの…空き缶やペットボトル、タイヤなどは自然の中で分解されずに、いつまでも残っていくのだそうです。
この一枚の木の葉に…
●フワフワの腐葉土
 さて登山道から森に入ってから思ったんですが、この辺の地面ってフワフワしてスポンジ みたいに柔らかい。
 これは腐葉土といって枯れ葉や枯れ枝が菌類や微生物などに分解されて、土に帰ったもので通常1cmの腐葉土ができるのに100年以上かかるのだそうです。そしてこの腐葉土が山に降った雨水をゆっくりたくわえ、そして浄化し川に流してくれることで、私たちを洪水や土砂崩れからら守ってくれるんですって。
/「このくらいの木で約一万個のどんぐりがなるんです。ドングリ達はみんなお母さんの木みたいになりたいと思って、地面に落ちる思うんですけど、実際お母さんの木みたいにりっぱんなれるのは何万分の1なんですよ。そう考えるとひとつひとつのドングリがとてもいとおしく思えてきますよね。」と藤石さん。人間の世界も競争があるけどドングリも大変なんだね。
●キノコの役割
 林の中に一本だけ、キノコがたくさん生えている木がありました。この木はもう枯れていて、キノコの菌がたくさん入っているんですって。(枯れ木はキノコのような菌が分解をして土に返すのだそうです)そうすると柔らかくなったところへカミキリムシの幼虫が入り、それを食べにキツツキがやってきて木をつつくのだそうです。
このくらいの木で約一万個の
ドングリを落とすそう
ドングリと食べられた後の
クルミのカラ
木の皮の間から細かくキノコが
生えてきています
 ふと足下の木をさして藤石さん。「この木は"イヌツゲ"と言って、雪が積もると雪の中に寝てしまうんですよ。頑張って立っていようとすると雪の重みで折れてしまうよね。それに雪が50cmくらいあると0度以下にはならないから、寒気から身を守る意味でも賢いやり方なんですよ。」これから寒い冬がやってくるけど、イヌツゲさん頑張ってね!
イヌツゲ ジネンジョイモもあった
 歩き始めて約1時間、山頂に到着しました。
 ここち良い風が吹くなか、藤石さんが森への思いを語ってくれました。
「私はよく1人で山へ来るんですけど、山へ来るととても満たされた気持ちになるんです。目の前の鳥や虫や植物、それぞれが関わり合いながら一生懸命生きよう生きようとしている。そうした姿を見ると、とても力がわいてきて暗い気持ちもどこかへ吹き飛んでいってしまう。」
 うーん、そういえば今日はいろいろな植物に出会ったけど、みんな一生懸命生きていたよね。落ち込んだときは、森へ出かけてみよう!
頂上からの眺めはすばらしい!! 日本海をバックに
インストラクター
藤石さん
   
ちあり&ゆきじの
感想
    
 
ワンダーキャラバントップへ
インパク会場